6月23日(日)午後2時、クラゲで有名な加茂水族館がFIGHT10(ファイトテン)に新規加盟し、その調印式が山形県の日本海に面した同館で執り行われました。
ファイト10は、このブログをご覧になってる方はご存じかも知れませんが、2011年3月に北関東自動車道が全線開通したことを契機に、沿線の6つの動物園水族館(群馬サファリ、宇都宮動物園、那須どうぶつ王国、なかがわ水遊園、アクアワールド大洗水族館、日立市かみね動物園)が連携してキャンペーンを展開しようと始まったもので、翌年、さらにアクアマリンふくしまも加わり、福島(F)、茨城(I)、群馬(G)、栃木(T)の7園館を心(Heart)ひとつにしてつなげようとの意味を込め、その頭文字をとりFIGHT7(ファイトセブン)と名付けられたプロジェクトです。その後2018年に、いなわしろカワセミ水族館、桐生が岡動物園が加わりファイト9、さらに2020年に那須サファリが加わりファイト10になり活動をしてきたところです。そして今年、新たに山形県の加茂水族館が加わり、冒頭の調印式を行ったということなのでした。調印式のあと、大きなクラゲ水槽の前には各園館のマスコットキャラクターが集結し、多くの子どもさんがキャラクターとふれあって会場を盛り上げてくれました。
さあ、ここでお気づきかも知れませんが、「ファイト」の由来は、紹介したように各県の頭文字のはず、また11園館に増えたのにプロジェクト名はそのまま?との疑問、ごもっともごもっともです。実は、私たちもそこを悩み山形(Y)を加え、FIGHTY11(ファイティイレブン)なんて話もあったのですが、加入した加茂水族館の奥泉園長から、「ファイトテンが浸透してるので、そこは変えなくてよいです」という太っ腹な提案があり、それではお言葉に甘えて的な流れでこのままの名称を存続させることとなった次第でした。まあこのように、この連携プロジェクトは基本ゆるーい感じの集まりで、規約・会費なども存在せず、言い出しっぺの宇都宮動物園荒井園長を中心に、すでに12年間も続いてきた取り組みなのでした。
ファイト10は、これまで生き物への関心を高めてもらうためのクイズラリーやスタンプラリー、持ち回り動物写真展、推し動物選手権などを行ってきましたが、現在は「パスとく」という各園館の年間パスポート提示で割引を受けられる事業に取り組んでいます。もともと北関東・福島といった都会から離れた地方の園館に人を呼ぼうという販促活動的な動機で始まったのですが、そこには地元だけではなく、様々な動物や展示形態を見て学んでもらいたいという希望もありました。つまり来園館者の目を肥えさせようとの企みです。そのためにも各園館を割安で巡れる「パスとく」は需要も多く、昨年の実績ではスタンプラリーよりも各園館への来園館頻度は高くなったというデータも揃いました。その流れの勢いに乗って今回の加茂水族館の加入はまさにタイムリーな展開になりました。
日立からは車で約5時間、北関東から山形はやはり少し遠いとは感じましたがそれでもクラゲ水槽の多様さには目を奪われました。ぜひファイト10の仲間に入った水族館ともども、この夏休みには各地の動物園水族館を訪れてみてはいかがでしょうか。
(園長 生江信孝)