さて、そろそろ夏の暑さも和らいできた?今日この頃、皆様はいかがお過ごしでしょうか?
夏休み期間に「身近な生き物展」を開催しておりました。
今年もいろんな生き物たちを展示しておりました。そして、番外編として、園内で回収のすることのできた「セミのぬけがら」を展示していたのを目にした方はいらっしゃいますでしょうか?同僚の方々には、おぞましい光景、という誉め言葉?をいただいていた展示です。
園内では、ミンミンゼミ、アブラゼミ、ニイニイゼミ、ツクツクボウシ、ヒグラシを観察することができます。
そこで、園内ではどの種が大体どのくらいいるのかな?なんてことを調べるために、園内でセミのぬけがらを集めて調べてみることとしました。
セミのぬけがらと言っても侮ることなかれ。ぬけがらからどの仲間か、そして雄雌まで判別ができます(調べ方は詳しい書籍やWebサイトがあるので、今回は割愛いたします)。そのため、今回は種類と雄雌(ニイニイゼミを除く)の数を調査しました。
期間は7月1日~8月31日まで、対象場所は当園、かみね動物園内としました。
結果としては、906個体集めることができました(判別できたぬけがらのみ個数に反映しているため、実際の回収数はもう少しだけ多くなります。)。実施している時は1000個体いけるかな?とも思ったのですが、少し足りませんでした。開始当初は300くらい集まればいいのかなと思いつつ、やってみると結構集まり、こんな数になりました。
さてさて、その数の内訳をみてみると、ミンミンゼミ321、アブラゼミ571、ニイニイゼミ10、ツクツクボウシ4、という結果でした。ヒグラシも園内で鳴いているのは確認できているのですが、ぬけがらを見つけることはできませんでした(ヒグラシはスギの樹皮に産卵することから園内での発生は少ないのかもしれません)。当園では、アブラゼミが一番の優占種のようですね。
さてさて、日々観察をしていて面白かったのは、雌雄を判別する際、はじめの方はほとんど雄ばかり見つけ、雌のぬけがらが全然見つかりませんでした。しかし、調査後半になると、その数は逆転し、雌の方がよく見かけるようになりました。この結果は、全国で同じような調査がされておりますが、同様な結果となっているようです。雄が早めに出てきて、雌が少し遅れて出てくる。これは、いろんな場所での調査で指摘されているようです。特にその傾向はアブラゼミで顕著でした。
こうしてみるといろんなことがわかりますね。セミのぬけがらからたくさんのことを知ることができました。やってみると案外面白い。そんな調査でした。
来年の夏、ぜひ、自由研究の一つとしてやってみては?と思います。もしくは一緒にやってみませんか?
一番の敵は蚊と太陽の日差しでした
かわせ