桜の木がたくさん植えてあるかみね動物園では、この季節に落葉が進みます。
この落ちてきた葉っぱは動物の寝床用の床材にしたり、食べる時間を延長させる目的のエンリッチメントに使用したり、腐葉土をつくったりと様々な用途に使用しています。
さすがに園内の落ち葉を飼育員が集めている時間は無いので、園内を清掃してくれているシルバー人材育成センターの方々に落ち葉を集めたら捨てないでくださいとお願いをしています。
今回はサルの楽園の仲間たちが落ち葉を使っている様子をお伝えします。
ジェフロイクモザル

ジェフロイクモザルは樹上性のサルで、基本的には木の上で過ごしている時間が多いサルの1種です。当園でもつり橋を上手に渡っている姿を見ることができ、来園者の皆様を驚かせています。
そんなクモザルたち。食欲旺盛で、目の前にボンっと食べ物を置くとすぐに食べきってしまいます。そこでクモザルの食べる時間を延長させるため、ペレットを隠すために落ち葉を使用しています。
巻き上げるように落ち葉をかき分けるので、閉園後のクモザルの展示場周りは落ち葉だらけです。
サバンナモンキー

サバンナモンキーたちはクモザルとは違い、やさしくかき分けてペレットを探します。始めは写真にあるようにオスのケビンくんのみペレット探しをしていましたが、最近はメスのサナちゃんも探しているようです(担当者が見ていないときのみ)。
ブラッザグエノン

ブラッザグエノンたちには落ち葉プールにしました。丁寧にかき分けて探す日もあれば、結構ダイナミックに探したような日も。夕方に掃除をするときに、今日はどんな探し方をしたのか確認するのも楽しみの一つになっています。
この日、写真右側のメス、モモちゃんはペレットを探すかと思いきや、おもむろにサクラの葉の落ち葉を掴み、食べ始めました。お気に入りの葉っぱとそうでないものがあるようです。

ボリビアリスザル

昨年、トロ舟(写真内:緑の箱)に落ち葉と土を入れて腐葉土を作りつつ、エンリッチメントの一つにしていました。今年はそれをひっくり返したところ、中には幼虫や昆虫たちが。雑食性のリスザルたちは無心で探し食べ続けていました。
今年も来年用に新しい落ち葉をいれて、ペレットやヒマワリの種を隠しつつ、腐葉土になるのを待ちます。
このように、落ち葉は動物たちの日々の生活を少し豊かにしてくれると同時に、本来野生では大半の時間をエサ探しに使うため、同様の行動を引き出すこともできます。
今年も落ち葉をフル活用していこうと思います。
ただ、毎回残念だなと思うことも。
万が一のこともあるので、動物たちに使ってもらう際には、中にビニールやティッシュなどのゴミがはいっていないか確認してから使ってもらうようにしていますが、必ずと言っていいほど何かしら出てきます。

先日はタバコが2本も。園内は禁煙です。隠れて吸った方がいたんだなぁと思いつつ、せめて吸い殻は持って帰ってほしかった。
ポケットに入れておいたゴミが何かの拍子に飛んで行ってしまったりすることもありますが、ゴミはきちんとゴミ箱に捨ててもらえると助かります。
前述したとおり、サルだけでなく他の動物たちも使用する落ち葉。これからの動物園、園内のどんなところに落ち葉が使われているか注目しながら見て回るのも面白いかもしれませんね!
(落ち葉で焼き芋を焼きたい ところ)