日立市かみね動物園公式ブログ

太平洋の見える動物園!

秋の動物園

夏休みだった子どもたちも学校が始まり、かみね動物園は大分落ち着いてきました。しかし、園内には逆にこれから賑わいを見せる場所があります。みなさん分かりますか?

 

秋といえば、読書の秋、スポーツの秋、そして食欲の秋。日本に住む動物たちは厳しい冬に向けて、実りの季節である秋に沢山食べて脂肪を蓄えます。

二ホンジカもそういった動物の一種です。ニホンジカは秋の間にイネ科の植物やササ、落葉広葉樹の葉っぱやドングリなどをどんどん食べます。夏毛でスッキリしていた体型は冬毛になるのも相まってとてもがっしりとします。そして秋は繁殖の季節でもあります。この時期のオスは目当てとなるメスをめぐって他のオスと争います。その前に準備をします。さながら戦支度です。

 

まずオスは自慢の角を木などに擦りつけ先端をとがらせます。

角を木にこする様子

この角、実は毎年生え変わります。生え始めの角は表面が皮膚で包まれています。この状態を袋角(ふくろづの)といいます。この袋角の中には血管が通っており温かいです。

袋角の状態

そして次第に伸びていき、8月~9月頃には中の血管はなくなり皮膚も剥がれてよく目にする白くてゴツゴツした立派な角になります。これが武器になります。

9月の様子。

そして角の他にも、泥に自分の尿を混ぜて体に擦り付けます。こうすることで自分のニオイを強くし、他のオスやメスに自分の存在をアピールします。これは合戦場で掲げる旗のようなものでしょうか。

 


こうして準備を整えてからオス同士で角を突き合わせて戦います。現在のかみね動物園には2011年と2022年と2023年生まれのオスがいますが、年長のオス以外の角はまだまだ小さく勝負になりません。その矛先、いや角先が飼育員や来園者のみなさんに向かうとケガをしてしまう可能性があります。そこで現在はシカのエサ販売を中止しています。ご理解のほどよろしくお願いします。

安全にエサやりができるようになりましたらまた再開しますのでしばらくお待ちください。

 

話がそれてしまいましたが、このようにニホンジカの展示場は毎年秋に賑わいをみせます。今まで以上に気を張ってないといけないのは大変ですが、動物を通して四季を感じることができるのは日本産動物の楽しみ方の一つだと思います。

飼育員 西野