リスザルたちが暮らす島に、小さな変化がいくつかありました。
ご紹介します。
①暑さ対策
リスザルたちは8時半過ぎに部屋を出て、16時まで島内で自由に過ごし部屋に戻るという毎日を送っています。夕方~朝にかけて部屋の中で過ごすので1日の大半をこの室内で過ごすわけですが、側面のほとんどがガラス張りのため、夏は暑く冬は寒い!毎年夏はいかに涼しく、冬はいかに暖かくできるかを試行錯誤しながらリスザルたちの過ごしやすい環境を目指しています。
夏はamazon欲しいものリストでいただいた小型の扇風機を使用し(いつもご支援ありがとうございます!)、中の空気を回しています。しかし、そもそも中の空気が暑い。暑い空気を循環させても暑いだけ。というわけで、少しでも外の涼しい空気を中に取り入れられないかと思い、外に扇風機を設置しました。
引っかける部分をどうしたらいいか悩んでおり、先輩職員に尋ねたら、数時間で全てさらっと作って設置してくれました。さすがすぎる…。
いたずらしてしまわないか心配でしたが、特に問題なく。当園のリスザルたちが人工的な風にあたって涼む姿を見たことはありませんが、末っ子のゲンキだけは違います。しっかり良いポジションを見つけていました。
設置したはいいものの、残念ながら直接室温の低下にはつながりませんでした。自己満足に近いような気もしますが、少しでも外の涼しい空気を入れることで夜間過ごしやすくなっているといいなと思っています。
気温との戦いは終わりが見えません。根本的対策としてリスザルの部屋にエアコン設置を検討していますが、実現するまでは今できることを考え実行していくのみです。
②末っ子ゲンキ、練習中!
今年の5月で5歳になった末っ子ゲンキ。以前のブログでもご紹介しましたが、生まれたときに母親を亡くし、人工保育で育ったオスのリスザルです。
今まではやんちゃ過ぎるがゆえに来園者の皆様が通る時間はお部屋にお留守番をしてもらっていましたが、最近は平日のみお外に出て練習をするようになっています。日によって午前中から出たり、午後のみ練習したり。その日によって違いはありますが、ゲンキも少しずつ成長しています。
ただ、まだまだやんちゃは健在。特定の職員には自分のテリトリーを荒らすなと言わんばかりな時も。来園者の方には、近くを通るふりをして盗れるモノがないか見ていることがあるので、ご自分の荷物と背後にはご注意を。
③ゲンキと群れの変化
ゲンキにとっては今まで以上に他のリスザルたちと一緒に過ごす時間が増えたこと、群れに関してはα(アルファ)オス(群れのリーダー的存在)が変わったことでリスザルたちの関係性にも変化が見えてきました。
今まではシロがαとして群れのリーダー的立ち位置にいましたが、昨年から息子にあたるシッポがその役割を担うようになりました。シッポには2つ上に兄のポロがいますが、2年前に大喧嘩をして、弟のシッポが優位になったようです。
そのシッポ。αとしての自覚が芽生えたのか、ここ最近ゲンキと遊んでくれるようになりました。(今まで一緒に遊ぶ姿は全く見ませんでした。)
追いかけっこをしたり、レスリングのような遊びをしたり。ケンカをしているように見えることもありますが、ただ遊んでいるだけです。きちんと加減をして遊んでくれています。
ただ、おじいちゃんリスザルのホンコンとメスのサクラ、ポポは心配性な一面が。
この3頭、以前はゲンキが特定の声をあげるとすぐに近くの相手を叱りに行き、ゲンキを助けてしまっていました。今は少し遠くから様子を見ているだけになったので、シッポも遊びやすくなったのかもしれません。
それでも、あまりに酷いと写真のように引きはがします…。
誰もサクラに勝てません。もちろん人間も。
この先さらに暑くなると、リスザルたちも木陰に隠れて休憩していたりすることが多くなります。島の中を通り誰もいないなと思ったら、ぜひ木の陰を探してみてください。
ゲンキが練習のため外に出ている時は、他のリスザルたちとの関係性にも注目です!
(リスザルの写真を撮るのは至難の業 飼育員ところ)