今年は暖冬といわれ比較的暖かい日が多かったように思っていましたが…
3月に入ってからは寒の戻りの日々が多く、桜の開花も予想からは遅れています。
日立市天気相談所が発表している桜の開花予想は、3月26日(3月15日発表)でしたが、
29日 まだつぼみ状態です。
30日 早い枝ではつぼみが開きかけています。
本日(30日)は、気温もだいぶ上がり初夏のような陽気になっています。
しばらく気温の高い日が続く予報が出ていますので、開花秒読み状態かと思います。
春の訪れを実感できるものはいくつかあると思います。
桜の開花の他に春の味覚のタケノコや山菜、プロ野球開幕、入学式、卒業式など…
ニホンジカの角が自然に外れ落ちる『落角』もその一つで、動物園の春の風物詩でもあります。
桜の開花が早いかシカの落角が早いか…
今年は、シカの落角の方が早まりました。
かみね動物園では、ニホンジカの2亜種ホンシュウジカとヤクシカを展示しています。
ヤクシカのオス2頭はまだ落ちていませんが、
ホンシュウジカのオス2頭は3月25日左右共に落角しました。
群れの方のホンシュウジカ
シカの角は、10月立派に完成したところで、シカ同士の闘争によるケガを防ぐためと、
同じスペースで作業をする飼育員の安全のために根元から角切りをしています。
3月25日 根元の台座部分 一日で左右両方落角しました。
骨折による後遺症で左後肢を引きずった状態になっていて、他のオスとの闘争でさらにケガをしないようにするため1頭だけで暮らしています。
1頭のみでの生活なことと、この個体は穏やかな性格でヒトに対して攻撃的な行動がないため秋の角切りは行わずにいました。
食欲もあり、たくましく元気に過ごしていますので、温かく見守っていただけたらと思います。
3月21日 左が落角
朝来たら落ちていました。おそらく1~2時間前。
3月25日 右も落角
これはちょうど清掃中一緒にいるときでしたので落ちた直後です。
鮮やかな血がにじんでいます。
完成形の落ちた角は、角切りを行っているかみね動物園では珍しいものです。
これから見頃を迎える桜…動物園でお気に入りの動物と共にお楽しみいただければと思います。
あわせて、これから秋の完成に向けグングン成長していくシカたちの角にも注目して観察してみてください。
飼育員 やまうち